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土壌汚染対策法に基づく指定支援法人

土壌汚染対策法

土壌汚染対策法の概要

はじめに

 土壌汚染対策法は、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策の実施を図ることにより、国民の健康を保護することを目的としています。

土壌汚染対策法の歩み

平成15年 2月 土壌汚染対策法 施行
平成21年 4月 土壌汚染対策法の一部を改正する法律 公布
10月 土壌汚染対策法施行令の一部を改正する政令 公布
汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令 公布
平成22年 2月 土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令 公布
汚染土壌処理業の許可の申請の手続等に関する省令の一部を改正する省令 公布
土壌汚染対策法に基づく指定調査機関及び指定支援法人に関する省令の一部を改正する省令 公布
4月 土壌汚染対策法の一部を改正する法律 施行
平成23年 7月 土壌汚染対策法施行規則及び土壌汚染対策法施行規則の一部を改正する省令の一部を改正する省令 公布・施行
汚染土壌処理業に関する省令の一部を改正する省令 施行
平成26年 3月 環境基本法(平成5年法律第91号)第16条に基づき「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年環境庁告示第46号)の一部改正
改正の概要は「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成3年8月環境庁告示第46号)の別表「1,1-ジクロロエチレン」の項の環境上の条件について、検液1Lにつき「0.02mg以下であること」から「0.1mg以下であること」に改めるものです。

土壌汚染対策法の目的としくみ

土壌汚染対策法のしくみ1土壌汚染対策法のしくみ2

土壌汚染とそのリスク

土壌汚染とは?

 土壌は、水や空気と同じように、私たち人間を含んだ生き物が生きていく上で、なくてはならないものです。土壌は、地中にいる生き物が生活する場であり、土壌に含まれる水分や養分が、私たちの口にする農作物を育てます。
 土壌汚染とは、こういった働きを持つ土壌が人間にとって有害な物質によって汚染された状態をいいます。原因としては、工場の操業に伴い、原料として用いる有害な物質を不適切に取り扱ってしまったり、有害な物質を含む液体を地下に浸み込ませてしまったりすることなどが考えられます。また、土壌汚染の中には、人間の活動に伴って生じた汚染だけでなく、自然的原因で汚染されているものも含まれます。

土壌汚染のリスク

 土壌の汚染があっても、すぐに私たちの健康に影響があるわけではありません。土壌汚染対策法では、土壌汚染による健康への影響(健康リスク)を以下の2つに分けて考えています。

(1)地下水の摂取などによるリスク
 土壌に含まれる有害物質が地下水に溶け出して、その有害物質を含んだ地下水を飲んで口にすることによるリスク。
(土壌溶出量基準(25物質))
【例】土壌汚染が存在する土地の周辺で、地下水を飲むための井戸が存在する場合。
地下水を飲む
(2)直接摂取によるリスク
 有害物質を含む土壌を口や肌などから直接摂取することによるリスク。
(土壌含有量基準(9物質))
【例】子どもが砂場遊びをしているときに手についた土壌を口にする、風で飛び散った土壌が直接口に入ってしまう場合。
砂場で遊ぶ

 土壌汚染対策法は、これらの健康リスクをきちんと管理するため作られました。
 同法では、(1)地下水の摂取などによるリスクの観点から25物質について土壌溶出量基準が、(2)直接摂取によるリスクの観点からこれら25物質のうち9物質について土壌含有量基準が設定されています。

 土壌汚染に関する問題とは、土壌汚染が存在すること自体ではなく、土壌に含まれる有害な物質が私たちの体の中に入ってしまう経路(摂取経路)が存在していることです。そのような経路を遮断するような対策を取れば、有害な物質は私たちの体の中に入ってくることはなく、土壌汚染による健康リスクを減らすことができます。つまり、土壌汚染があったとしても摂取経路が遮断され、きちんと健康リスクの管理が出来ていれば、私たちの健康に何も問題はありません。

土壌汚染状況調査のきっかけ

 土壌汚染の状況を把握するための調査を対象とする土地は、次の[1]~[3]の場合です。

[1]有害物質使用特定施設の使用を廃止するとき(法第3条)
[2]一定規模(3,000m2)以上の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第4条)
[3]土壌汚染により健康被害を生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第5条)

 物質ごとに行うべき調査には「土壌ガス調査」「土壌溶出量調査」「土壌含有量調査」があり、表に示すように物質の分類によって必要な調査が定められています。

○→必要とする調査  ×→調査不要

特定有害物質 土壌ガス調査 土壌溶出量調査 土壌含有量調査
第1種特定有害物質
(揮発性有機化合物)
11種類

(土壌ガス調査で特定有害物質が検出された場合)
×
第2種特定有害物質
(重金属等)
9種類
×
第3種特定有害物質
(農薬等)
5種類
× ×

 土壌汚染状況調査に関する詳細については、「土壌汚染状況調査の流れ 」をご覧ください。

区域の指定について

 土壌汚染状況調査の結果で基準を超えていた場合、都道府県知事等はその土地を健康被害のおそれの有無に応じて、要措置区域又は形質変更時要届出区域に指定します。
 土壌汚染対策法においては、法第3条、法第4条、法第5条の義務や命令による調査のほか、自主的に調査した土壌汚染の調査結果について、都道府県知事等に区域の指定を申請することができます。

図:区域指定されるまで

汚染の除去等の措置について

 健康被害のおそれがあるため要措置区域に指定された場合は、都道府県知事等により「指示された措置」(指示措置)を行わなければなりません。この場合の措置方法は、土壌の汚染状態と土地の利用の方法等に応じたリスクにより異なります。
 これらのリスクは、『地下水の摂取などによるリスク』と『直接摂取によるリスク』に分類し、必要とされる措置方法を下表に示します。

講ずべき措置の一覧表

リスク   土地の汚染状況 指示措置
(都道府県知事等から指示される講ずべき措置)
指示措置と同等以上の措置
(都道府県知事等から指示された措置と同等以上の効果を有すると認められる措置)
地下水の摂取等によるリスクに対する汚染の除去等の措置 特定有害物質による土壌溶出量基準が適合せず、地下水汚染は生じていない土地 地下水の水質の測定 ②項~⑥項に定める措置
第一種特定有害物質による土壌溶出量基準が適合せず、地下水汚染が生じている土地 原位置封じ込め
又は 遮水工封じ込め
イ 地下水汚染の拡大の防止
ロ 土壌汚染の除去
第ニ種特定有害物質による第二溶出量基準が適合せず、地下水汚染が生じている土地 原位置封じ込め
又は 遮水工封じ込め
イ 遮断工封じ込め
ロ 地下水汚染の拡大の防止
ハ 土壌汚染の除去
第ニ種特定有害物質による土壌溶出量基準が適合せず、地下水汚染が生じている土地 原位置封じ込め
又は 遮水工封じ込め
イ 不溶化
ロ 遮断工封じ込め
ハ 地下水汚染の拡大の防止
ニ 土壌汚染の除去
第三種特定有害物質による第二溶出量基準が適合せず、地下水汚染が生じている土地 遮断工封じ込め イ 地下水汚染の拡大の防止
ロ 土壌汚染の除去
第三種特定有害物質による土壌溶出量基準が適合せず、地下水汚染が生じている土地 原位置封じ込め
又は 遮水工封じ込め
イ 遮断工封じ込め
ロ 地下水汚染の拡大の防止
ハ 土壌汚染の除去
直接摂取によるリスクに対する汚染の除去等の措置 第ニ種特定有害物質による土壌含有量基準が適合しない土地(例)乳幼児が遊ぶような土地 土壌汚染の除去 イ 舗装
ロ 立入り禁止
⑦を除く
第ニ種特定有害物質による土壌含有量基準が適合しない土地
(例)盛土等では支障がある土地
土壌入れ換え イ 舗装
ロ 立入り禁止
ハ 土壌汚染の除去
⑦~⑧を除く
第ニ種特定有害物質による土壌含有量基準が適合しない土地
盛土 イ 舗装
ロ 立入り禁止
ハ 土壌入れ換え
ニ 土壌汚染の除去

※指示措置等の内容については下表の<講ずべき措置の内容>をご参考下さい。

講ずべき措置の内容

講ずべき措置 内容
地下水の水質の測定 要措置区域等であるが地下水汚染が生じていない土地の場合に、地下水汚染が生じていないことを確認するために、定期的に地下水の水質の測定を行なうこと。
測定結果を都道府県知事に報告しなければならない。
原位置封じ込め 汚染土壌が存在する区画の側面に、不透水層の深さまで、鋼矢板等の遮水効果のある構造物で囲み、有害物質が地下水経由で敷地外に流出しないようにすること。
措置が完了しても、構造が損壊しないように管理が必要。
遮水工封じ込め 地中に遮水シート等の遮水工を設置し、その内部に汚染土壌を封じ込め、汚染土壌と地下水の接触を防止すること。
措置が完了しても、構造が損壊しないように管理が必要。
遮断工封じ込め 遮水工封じ込めよりもさらに厳重な構造物を設置し、その内部に汚染土壌を封じ込め、汚染土壌と地下水の接触を防止すること。
措置が完了しても、構造が損壊しないように管理が必要。
土壌汚染の除去 汚染土壌を、掘削して要措置区域外に搬出したり、掘削しないで要措置区域内で浄化することにより土壌汚染の除去を行なうこと。
前者は、都道府県知事が許可した「汚染土壌処理施設」で処理することになる。
後者は、熱処理、洗浄処理、化学処理、生物処理、抽出処理等の方法がある。
地下水汚染の拡大の防止 地下水の流れの下流側で揚水設備や透過性地下水浄化壁を設けることで、要措置区域等から汚染地下水の拡大を防止すること。
不溶化 重金属等を対象として、汚染土壌に薬剤の注入等を行い、有害物質が水に溶けないようにした土壌にし、要措置区域等から汚染地下水の拡大を防止すること。
汚染を除去したことにならないので、土壌汚染の除去に該当しない。
土壌入換え 含有量基準に適合しない場合に、直接摂取経路を遮断するために、地表から深さ50cmまでの汚染土壌を掘削除去し、汚染していない土壌で埋め戻して直接摂取の経路を遮断すること。
盛土 含有量基準に適合しない場合に、直接摂取経路を遮断するために、砂利等で覆い、更に、厚さ50cm以上の汚染していない土壌により覆うこと。
舗装 含有量基準に適合しない場合に、直接摂取経路を遮断するために、コンクリートやアスファルト等で覆うこと。
立入禁止 含有量基準に適合しない場合に、直接摂取経路を遮断するために、周囲に囲いを設け、人が立ち入ることができないようにすること。また、汚染土壌の飛散防止の措置を行う必要がある。

汚染土壌の搬出の規制について

 要措置区域等内から汚染土壌を搬出する場合には、事前に届出義務等があります。このほか、汚染土壌の運搬は運搬基準の順守と管理票の交付・回付及び保存義務があります。
 さらに、汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、その汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならないと定められています。汚染土壌処理業者とは、都道府県知事等の許可を受けた汚染土壌の処理を業として営む者を言います。