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土壌汚染対策法に基づく指定支援法人

土壌汚染対策法

土壌汚染対策法の概要

 土壌汚染対策法は、土壌汚染の状況の把握及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等を目的として平成15年2月15日に施行されました。
 同法の施行から6年が経過し、法に基づく土壌汚染の調査、対策とは別に、一般の土地取引等の際に、自主的に土壌汚染の調査、対策が広く実施されるようになり、また汚染土壌が不適正に処理される事例も明らかになりました。
 こうした現状をかんがみ、土壌汚染対策法が一部改正され平成22年4月1日に施行されました。

主な改正点

1.土壌の汚染の状況把握のための制度拡充
  • 一定規模以上(3,000m2)の土地の形質変更をする際に都道府県知事等への届出を義務化し、その土地で土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認める場合は調査命令が出されます。
  • 自主的に行った調査において土壌汚染が判明した場合、土地の所有者等は都道府県知事等に区域の指定を申請することができます。
2.区域の分類による講ずべき措置内容の明確化
法改正前は、基準を超過した土地はすべて「指定区域」に指定されていましたが、区域の種類を2つに分けることで、その土地がどのような区域か分かりやすくしました。
  • 要措置区域
    盛土、封じ込め等の措置が必要な区域として指定されます。
    (「要措置区域」の場合、都道府県知事等より必要な措置が指示されます)
  • 形質変更時要届出区域
    土地の形質変更時に届出が必要な区域として指定されます。
3.搬出土壌の適正処理の確保
  • 要措置区域又は形質変更時要届出区域(以下「要措置区域等」という。)から汚染土壌を搬出する場合は、14日前までに都道府県知事等への届出等が必要です。
  • 汚染土壌の運搬には、運搬基準が定められており、遵守する必要があります。
  • 汚染土壌を搬出する際には、管理票の交付・回付及び保存をしなければなりません。
  • 汚染土壌を搬出する者は、都道府県知事等から許可を受けた汚染土壌処理業者へ処理を委託しなければなりません。
  • 汚染土壌を処理する業者は、汚染土壌処理施設ごとに都道府県知事等から許可を受けなければなりません。
4.指定調査機関の信頼性の向上
  • 環境大臣によって指定される指定調査機関は、技術管理者の設置が義務化されました。技術管理者は、一定の経験を有し、環境省が実施する技術管理者試験に合格しなければなりません。

土壌汚染対策のしくみ

土壌汚染対策法の概要

特定有害物質と土壌溶出量基準・土壌含有量基準

 土壌汚染対策法の対象となる特定有害物質(土壌汚染対策法施行令第1条)は、「土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生ずるおそれがあるもの」として選定されています。
 土壌汚染が人の健康に悪影響(健康リスク)を及ぼす経路には、直接触れて取り込む場合と地下水等を介して取り込む場合の2つが考えられています。

人の健康に悪影響を及ぼす経路

人の健康に悪影響を及ぼす経路

 土壌汚染対策法では、地下水等経由の摂取リスクから土壌溶出量基準(25物質)が、直接摂取リスクから土壌含有量基準(9物質)が定められています。

特定有害物質の種類と基準(土壌の汚染状態に関する基準)

特定有害物質の種類<地下水の摂取などによるリスク>
土壌溶出量基準
<直接摂取によるリスク>
土壌含有量基準


















四塩化炭素検液1Lにつき0.002mg以下であること -
1,2-ジクロロエタン検液1Lにつき0.004mg以下であること -
1,1-ジクロロエチレン検液1Lにつき0.02mg以下であること -
シス-1,2-ジクロロエチレン検液1Lにつき0.04mg以下であること -
1,3-ジクロロプロペン検液1Lにつき0.002mg以下であること -
ジクロロメタン検液1Lにつき0.02mg以下であること -
テトラクロロエチレン検液1Lにつき0.01mg以下であること -
1,1,1-トリクロロエタン検液1Lにつき1mg以下であること -
1,1,2-トリクロロエタン検液1Lにつき0.006mg以下であること -
トリクロロエチレン検液1Lにつき0.03mg以下であること -
ベンゼン検液1Lにつき0.01mg以下であること -














カドミウム及びその化合物検液1Lにつきカドミウム0.01mg以下であること土壌1kgにつきカドミウム150mg以下であること
六価クロム化合物検液1Lにつき六価クロム0.05mg以下であること土壌1kgにつき六価クロム250mg以下であること
シアン化合物検液中にシアンが検出されないこと土壌1kgにつき遊離シアン50mg以下であること
水銀及びその化合物検液1Lにつき水銀0.0005mg以下であり、かつ、検液中にアルキル水銀が検出されないこと土壌1kgにつき水銀15mg以下であること
セレン及びその化合物検液1Lにつきセレン0.01mg以下であること土壌1kgにつきセレン150mg以下であること
鉛及びその化合物検液1Lにつき鉛0.01mg以下であること土壌1kgにつき鉛150mg以下であること
砒素及びその化合物検液1Lにつき砒素0.01mg以下であること土壌1kgにつき砒素150mg以下であること
ふっ素及びその化合物検液1Lにつきふっ素0.8mg以下であること土壌1kgにつきふっ素4000mg以下であること
ほう素及びその化合物検液1Lにつきほう素1mg以下であること土壌1kgにつきほう素4000mg以下であること













/


+
P
C
B
シマジン検液1Lにつき0.003mg以下であること -
チオベンカルブ検液1Lにつき0.02mg以下であること -
チウラム検液1Lにつき0.006mg以下であること -
ポリ塩化ビフェニル(PCB)検液中に検出されないこと -
有機りん化合物検液中に検出されないこと -

土壌汚染状況調査

土壌汚染の状況を把握するための調査の対象となる土地は、次のとおりです。

  • [1]有害物質使用特定施設の使用を廃止するとき(法第3条)
  • [2]一定規模(3,000m2)以上の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第4条)
  • [3]土壌汚染により健康被害を生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第5条)

土壌汚染状況調査の対象となる物質は、上記[1]の土地の調査の場合は、その施設において使用等していた物質及びその土地の過去の土地利用履歴から土壌汚染の原因となることが考えられる物質、[2]、[3]の土地の調査の場合は、都道府県知事等から命令を受けた物質です。
 物質ごとに行うべき調査には「土壌ガス調査」「土壌溶出量調査」「土壌含有量調査」があり、表に示すように物質の分類によって必要な調査が定められています。

物質ごとに行うべき調査

特定有害物質 土壌ガス調査 土壌溶出量調査 土壌含有量調査
第1種特定有害物質
(揮発性有機化合物)

(土壌ガス調査で特定有害物質が検出された場合)
-
第2種特定有害物質
(重金属等)
-
第3種特定有害物質
(農薬等)
   

要措置区域等の指定

 土壌汚染状況調査の結果、基準を超過していた場合は、都道府県知事等はその土地を健康被害のおそれの有無に応じて、要措置区域又は形質変更時要届出区域に指定します。
 土壌汚染対策法においては、法第3条、法第4条、法第5条の義務や命令による調査のほか、自主的に調査した土壌汚染の調査結果について、都道府県知事等に区域の指定を申請することができます。

区域指定されるまで

図:区域指定されるまで

汚染の除去等の措置

 健康被害のおそれのある要措置区域では、土地の汚染状態と利用の仕方に応じて、地下水の水質の測定、封じ込めといった汚染の除去等の措置が指示されることになります。
 土地の所有者等は、都道府県知事等により指示された措置の他、指示された措置と同等以上の効果を有すると認められる措置を選択することができます。
 形質変更時要届出区域では、健康被害の生ずるおそれがないため、汚染の除去等の措置を講ずる必要はありません。
 人が立ち入ることができる土地であるとき、汚染土壌を直接口から摂取する可能性があるため、以下の表に示す措置が指示されます。

直接摂取によるリスクに対する汚染の除去等の措置

 通常の土地盛土では支障がある土地※1特別な場合※2
舗装
立入り禁止
盛土××
土壌入換え×
土壌汚染の除去

◎:講ずべき汚染の除去等の措置(指示措置)
○:環境省令で定める汚染の除去等の措置(指示措置と同等以上の効果を有すると認められる措置)

※1. 「盛土では支障がある土地」とは、住宅やマンション(1階部分が店舗等の住宅以外の用途であるものを除く)で、盛土して50cmかさ上げされると日常生活に著しい支障が生ずる土地
※2. 乳幼児の砂遊びに日常的に利用されている砂場や、遊園地等で土地の形質変更が頻繁に行われ盛土等の効果の確保に支障がある土地については、土壌汚染の除去を指示することとなる。

 地下水汚染が生じている場合は以下の表に示す汚染の除去等の措置が指示されます。地下水汚染が生じていない場合は、地下水の水質の測定が指示措置となります。

地下水の摂取等によるリスクに対する汚染の除去等の措置(地下水汚染が生じている場合)

  第一種特定有害物質
(揮発性有機化合物)
第二種特定有害物質
(重金属等)
第三種特定有害物質
(農薬等)
第二溶出量
基準適合
第二溶出量
基準不適合
第二溶出量
基準適合
第二溶出量
基準不適合
第二溶出量
基準適合
第二溶出量
基準不適合
原位置封じ込め (※) (※) ×
遮水工封じ込め (※) (※) ×
地下水汚染の拡大の防止
土壌汚染の除去
遮断工封じ込め × ×
不溶化 × × × × ×

◎:講ずべき汚染の除去等の措置(指示措置)
○:環境省令で定める汚染の除去等の措置(指示措置と同等以上の効果を有すると認められる措置)

(※) 汚染土壌の汚染状態を第二溶出量基準に適合させた上で、原位置封じ込め又は遮水工封じ込めを行うことが必要。
(注) 「第二溶出量基準」とは、土壌溶出量基準の3倍から30倍に相当するものです。

搬出の規制

 要措置区域等内から汚染土壌を搬出する場合には、事前に届出義務等があります。このほか、汚染土壌の運搬は運搬基準の順守と管理票の交付・回付及び保存義務があります。
 さらに、汚染土壌を要措置区域等外へ搬出する者は、その汚染土壌の処理を汚染土壌処理業者に委託しなければならないと定められています。汚染土壌処理業者とは、都道府県知事等の許可を受けて汚染土壌の処理を業として営む者を言います。これは、土壌汚染対策法の改正に伴い、新たに許可制度として設けられたものです。

指定調査機関

 土壌汚染対策法に基づく調査は、その結果によってその土地に対する土壌汚染対策の方針が左右されるため、信頼できる調査結果を確保しなければなりません。
 そこで、調査を的確に実施することができる者を環境大臣が指定し、土壌汚染対策法に基づく調査は、その指定を受けた者のみが行うこととされています。この環境大臣に指定され、土壌汚染対策法に基づく調査を行う者が指定調査機関です。
 各指定調査機関は、的確に調査を行うため、技術管理者(技術上の管理をつかさどる者)を置く必要があり、この者の指導・監督の下、調査を行うことになります。
 平成21年の土壌汚染対策法の改正において、この技術管理者になるための要件として、環境大臣が実施する技術管理者試験に合格していることが加わりました。これにより、適切な技術・知識を持った者の管理の下、法に基づく調査が実施されることになっています。